特定健診受診者に歯科指導を同時に行うことで、歯の衛生行動の習慣化が見られ、口や全身の健康状態の改善に寄与したと、信州大などの研究グループが発表した。
特定健診は、生活習慣病の予防のために40~74歳を対象に行われている。研究グループは、長野県塩尻市の特定健診受診者について(1)特定健診と歯科健診、歯科保健指導を同時に受け、健診時と数カ月後に歯の清掃補助用具セット(歯間ブラシ、洗口液、使い方説明書)を受け取った131人(平均年齢60.9歳)(2)特定健診のみを受けた197人(同62.2歳)―に分類。3年後の口と全身の健康状態の変化を比較した。
その結果、(1)グループでは歯間ブラシや洗口液の使用率が増加し、歯茎の出血や治療が必要な未処置歯がある割合は有意に減少した。歯茎の溝(歯周ポケット)が4ミリ以上ある歯周病の人も減っていた。全身状態は、(1)グループで腹囲、脂質異常症、高血糖に該当する割合が減少したのに対し、(2)グループでは高血糖がある人のみが減った。
(メディカルトリビューン=時事)