クローゼットは押し入れに近い自由な収納空間でありながら、住まいの設計に左右されるためサイズはさまざまです。
幅や高さはもちろんですが、問題は奥行き。衣類をハンガーに掛けるには少なくとも55センチは必要ですが、足りないと窮屈。一方、80センチ以上の深い奥行きで前後2本のバーがあると、後ろは見えづらく意外に不便です。
さて、衣類を含めて物の管理をスムーズに行うには、「種類別に仕切る」ことがポイントです。
私はコート、ワンピース、ジャケット、ブラウスなど、しわを防ぎたい衣類はハンガーに掛けています。Tシャツ、セーター、スポーツウエア、パンツなどは畳んで引き出しに、オフシーズン物は衣装ケースに入れています。Tシャツやセーターまで全てハンガーで吊るす方もいますが、一年中掛けっぱなしでは襟元が傷みます。「本当に着ているか」を意識しながら、季節ごとの衣替えを楽しみましょう。
整理の方法は、まずステンレスバーから全てのハンガーを外し、バー、壁面、衣装ケース(特に底面)、床の順にアルコールを含ませたタオルで拭き上げます。そして衣類は顔のそばに当てて鏡で確認しながら、来シーズンも着たい服を残します。
私はノースリーブ、カーディガン、プルオーバーなど14アイテムをそれぞれ5点に絞り、衣装ケースにしまう前にアイテムごとに写真を撮るようにしています。
こうして一覧にしておくと、手持ちの服がすぐに分かりますし、自分が選ぶ服の傾向も見えてきます。クローゼットは心を映す鏡。自分の服装を客観的に観察しながら、増やし過ぎないようにしましょう。
(文と写真、整理収納アドバイザー・井田典子)