休日ともなると山線鉄橋付近の千歳川は、カヌー、カヤック、SUP(スタンドアップパドル)といったアクティビティーや水遊びを楽しむ親子連れなどでにぎわいを見せています。近年は、アクティビティー業者のツアーに参加する人だけでなく、自前のSUPやカヤックを持ち込む人も増えています。
静穏な川の流れと透明度の高い水は、アクティビティーなどを楽しむには魅力的な場所なのでしょう。ビジターセンターにも利用に関する問い合わせが多く寄せられています。その一方で、利用者の増加とともに危険な遊泳行為や迷惑行為も目に付くようになりました。地域として、これまでも支笏湖ルールを策定し、楽しく安全に利用してもらうための周知を図ってきましたが、安全の確保や利用ルールの徹底、適正な湖面利用といった課題が完全に解消されたわけではありません。
そんな中、現在、水辺に隣接する第5駐車場の再整備工事が急ピッチで進められています。再整備に当たっては、環境省と地元関係者による検討が何度も行われました。これまで約250台駐車可能だった第5駐車場は、主に水辺利用者用として40台弱の駐車スペースを確保した上で、残りのスペースは芝生広場へと変わります。駐車場はカヤックやSUPの搬出入がしやすくなり、芝生エリアもいろんな使い方ができる広場に変貌します。来年度の全面供用時には、課題となっている水辺の適正利用のための取り組みも始まります。
第5駐車場エリアの再整備は、景観の改善や利用促進だけでなく、安全で安心して楽しめる場所であり続けるための取り組みでもあるのです。アウトドア活動は、これからさらに人気を呼び、大きな広がりを見せることでしょう。第5駐車場の再整備が、より支笏湖の魅力を高め、より多くの人に親しまれる場所になることへの期待が膨らみます。
(支笏湖ビジターセンター所長 木林正彦)