タウリンで寿命延伸?

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  • 2023年8月22日

  消化管内でコレステロールの吸収を抑える働きなどを持つ「タウリン」に、寿命延伸作用がある可能性が示唆されたと、米国などの研究グループが発表した。

   タンパク質を分解する過程で生成され、生命維持に重要な役割を果たすタウリン。加齢とともに減少し、60歳の血中タウリン濃度は5歳の約3分の1とされる。研究グループは、ヒトの45歳に相当するマウスに1日1回タウリンを投与する実験を行い、非投与マウスと寿命を比較した。

   その結果、非投与マウスに比べ、投与したマウスの寿命は雄で10%、雌で12%延長した(ヒトの7~8年に相当)。また、ヒトの60歳に相当するマウスに1年間タウリンを投与し、非投与マウスと健康指標を比べたところ、雌の投与マウスでは加齢による体重増加が抑えられた。さらに、投与した雄雌ともエネルギー消費量、骨量、筋力が増え、不安を示す行動が減るなど、健康状態がより良好だった。

  (メディカルトリビューン=時事)

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