洗濯洗剤などに含まれる界面活性剤が、気管支ぜんそくのような気道炎症を引き起こす仕組みを解明したと、国立成育医療研究センターなどの研究グループが発表した。
ぜんそくなどのアレルギー疾患は、上皮細胞のバリアー機能に障害が起きて発症する可能性が近年指摘され、その要因として、大気汚染物質や合成洗剤などの影響が示唆されているが、詳細は明らかではない。研究グループは、マウスと培養したヒトの気管支上皮細胞を用いた実験で、合成洗剤の吸入で気道炎症が起きる仕組みを調べた。
その結果、合成洗剤に含まれる界面活性剤が気道上皮細胞のバリアー機能の障害を誘導し、そこから放出される炎症物質が増え、ぜんそくのような気道炎症が生じることが示された。また、家庭内のほこりからは一定量の界面活性剤が検出されることも分かったが、研究グループは「生活環境のほこりの中にある界面活性剤とぜんそくとの因果関係は今回明らかになっていない。さらなる研究を進める」とコメントしている。
(メディカルトリビューン=時事)