統合失調症の女性患者は、そうでない女性と比べて妊娠中や産後に他者からの暴力被害に遭うリスクが3倍を超えると、カナダの研究グループが発表した。
統合失調症患者は、配偶者やパートナー、知人、面識のない人から身体的、性的、精神的虐待を含む暴力行為の被害に遭いやすいことが分かっている。
研究グループは、2004~18年にカナダのオンタリオ州で出産した統合失調症患者4470人を含む約180万人の医療記録データを分析し、統合失調症の女性が妊娠中~産後1年間に他者からの暴力被害で救急外来を受診するリスクを調べた。
その結果、同期間に他者からの暴力被害で救急外来を受診した女性の割合は、統合失調症のない女性の0・4%に対し、統合失調症の女性では3・1%で、人口などの要因を調整して分析したところ、妊娠中に暴力被害で救急外来を受診するリスクは3・47倍だった。
(メディカルトリビューン=時事)