適量飲酒者は腎機能低下リスクが低く、大量飲酒者ではタンパク尿リスクが上昇していたと、大阪大の研究グループが発表した。
大量飲酒が腎臓病に及ぼす影響を評価した報告は少ないため、研究グループは、アルコール摂取量と腎臓病リスクの関連を検討した11研究(計1463万4940人対象)のデータを解析した。
その結果、腎機能障害の指標であるタンパク尿リスクを非飲酒者と比べると、1日当たりのアルコール摂取量が20グラム(日本酒1合)程度の人は低かったが、60グラム(同3合)程度の人では高かった。また、腎臓でろ過される血液量から測る腎機能低下リスクについては、アルコールを12~36グラム摂取する人は低く、それ以上ではほぼ横ばいだった。
研究グループは「適度な飲酒を心掛けることにより腎臓病リスクが低下することが示された。適度な睡眠や禁煙と同様、心臓病や死亡のリスクとなる腎臓病の予防につながると期待できる」とコメントしている。
(メディカルトリビューン=時事)