-11- 手話や感情を表す効果も 効果的な「手遊び歌」

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  • 2023年7月5日
親が手本を示し一緒に楽しむ

  私が子どもと療育園に通い始めた時、最初に親として教わったのは、歌やリズムに合わせて手を動かす「手遊び歌」でした。手遊び歌は、子育てや療育にとって大事な要素が多く含まれています。

   しかし当時、私は刑事を辞めてまだ半年しかたっておらず、手遊び歌の大切さを理解していませんでした。保育室でママ友、子どもたちと一緒に手遊び歌をすることが苦痛だったことを覚えています。

   手遊び歌の特徴は、相手の動きをまねる「模倣」です。

   子どもは、大人や他の子どものまねをして育ちます。しぐさや言葉などを見て、聞いて、その場の雰囲気を感じ取りながら、「これは楽しそうだ」と思えば、その動きをまねします。これは、体の筋肉や関節を動かし、発話や自分の感情を表す行動につながります。

   多くの手遊び歌の中で、お勧めは「とんとんとん ひげじいさん」です。ひげじいさんの部分を、子どもに人気の「アンパンマン」に置き換えるとさらに効果的。音楽的な感覚が身に付き、頭や顔など見えないところに手で触れることで、身体のイメージを把握できるようになります。

   また、アンパンマンなどの好きなキャラクターの名前を呼びながら手遊びをすることで、物語を理解する力を育てる効果も期待できます。

   とにかく親が楽しくお手本を示すことが大切。子どもによっては、手拍子が難しかったり、歌詞の内容を理解しづらかったりすることも。そのためにも親が「教える」という感覚ではなく、子どもと一緒に楽しく遊ぶことが大切です。

  (Ecold代表取締役CEO・北村耕太郎、イラストはオリドマキ)

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