不思議な航空用語

  • 土曜の窓, 特集
  • 2023年7月1日

 航空業界独自の用語は数え切れないほどありますが、金融機関出身の私が見聞きする中で不思議に思ったものからご紹介します。

 まず、予定していた機材を変更することを「シップチェンジ」と言います。初めて聞いたときは「船」?と思いましたが、実は、航空用語には海運用語に由来した用語や習慣が多いのです。そう言えば空港はエア「ポート」で、航空機が駐機するときは、船と同じく左舷から搭乗橋などを設置しますし、もともと「パイロット」は船の水路を案内する「水先案内人」のこと、「パーサー」は船の「事務長」のことなのです。

 また「コックピット」(COCKPIT)は、飛行機等の操縦席や操縦室のことで世の中一般に知られている用語ですが、改めて考えてみると「鶏」? 「囲い」? この語源は諸説あるようですが、博識の機長によると、第1次大戦中の航空技術の発達(複葉機の普及等)によって飛行機が飛行機を銃撃できるようになり、パイロットが鶏のように臆病に警戒する様子から名付けられたのではないか、とのことです。

 次に空の「地名」です。航空用語で「ウエイポイント」(WAYPOINT)と言います。飛行ルートを特定する際にこれが使われます。ローマ字5文字で表されるので、初めて地図を見たときは、英語の意味があるのかと思いました。しかし、意味は日本語のものが多く、しかも結構身近なものが材料になっているのです。

 例えば、新千歳空港の周辺には、NACKS(ナックス)、苫小牧名物のHOKKI(ホッキ)など。昨年7月にAIRDOが新規就航した福岡空港の周辺にはAMAOH(あまおう)などがあります。国が決めているとは思えない遊び心で、妙に感心してしまいます。

 最後に、航空会社の仕事の現場ではアルファベットを伝えるとき、聞き間違えのないように工夫されています。私が入社して間もなくのこと、「次の会議室はどこ?」と聞いたら「ブラボー」という答えが返ってきました。??と思いましたら「B会議室」という意味でした。業界や会社、世代などによって違うようですが、Aは「アルファ」、Cは「チャーリー」などと言います。航空会社もこういう伝統があることを知っていただけると幸いです。そう言えば、「ブラボー」ってテレビで誰かが叫んでいたような。

 (元AIRDO社長)

(SHIP CHANGE)

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