水虫やたむしなどの感染症の原因となる白癬(はくせん)菌。治療に使われる抗真菌薬が効きにくい薬剤耐性白癬菌の種類が増えていることが国内初の調査で分かったと、帝京大などの研究グループが発表した。
白癬は、日本人の4~5人に1人が感染しているとされるありふれた真菌感染症だ。家族間で感染しやすく、重度糖尿病患者では足の切断リスクにもつながる。近年、抗真菌薬に耐性を持つ白癬菌が世界的に報告されているが、感染の広がりの実態は明らかでない。
研究グループは、2020年と22年に白癬患者に占める耐性菌の割合を調査。その結果、抗真菌薬テルビナフィンの耐性菌に感染していた患者の割合は、20年の約2・3%に対し22年は約1・4%とわずかに減少した一方で、耐性菌の種類は増えていた。
研究グループは「治療で抗真菌薬が効かない場合は、他の薬剤が効くかどうか検査し、適切な治療薬に切り替えるなどの対応が必要だ」と指摘している。
(メディカルトリビューン=時事)