妊婦の低たんぱく、子どもの発達に影響

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  • 2023年6月21日

  妊娠初期に、たんぱく質の摂取割合が極端に低い母親から生まれた子どもは、3歳時に発達の遅れが見られる傾向が示されたと、山梨大の研究グループが発表した。

   成人や妊婦が1日に摂取する食事のエネルギーに占めるたんぱく質の割合は13~20%が望ましいとされる。研究グループは、環境省が2010年度に始めた「子どもの健康と環境に関する全国調査」に参加した7万7237組の母子を対象に、妊娠中の母親のたんぱく質摂取が、生まれた子の3歳時の発達に与える影響を検討した。

   その結果、妊娠初期にたんぱく質のエネルギー割合が極端に低い(9・39%未満)母親から生まれた子どもは、標準(13%以上)の母親から生まれた子どもと比べ、3歳時のコミュニケーション能力、指先で物をつかむなどの微細運動能力、問題解決能力の3項目で発達の遅れが見られる割合が高かった。また、たんぱく質の摂取割合が標準より低い母親は全体的な栄養バランスに偏りがあり、朝食を抜く人が多かった。

  (メディカルトリビューン=時事)

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