豊作祈り手植え 若手神職が「御田植祭」 厚真

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  • 2023年5月19日

  胆振、日高の青年神職会による「御田植祭」が18日、厚真町桜丘にある森田明央さん(56)所有の水田で行われた。若手神職と関係者の計8人が参加し、水田の一角に設けた「神田」に手作業で苗を植えた。

   先人たちの伝統作業を体験することで米作りの大切さを若手神職に感じてもらおうと、2005年から継続している田植えの神事。水田脇に設けた祭壇で儀式を執り行った後、神職が水田に入り、「ななつぼし」の苗を丁寧に手植えしていった。

   昨年は雨風の影響で、育った稲が倒れるなど苦戦を強いられたものの「神事を行っているせいか、豊作が続いている」と笑みを浮かべる森田さん。今年は「天候不順で大変だった」と言うが、徹底した管理により、苗はやや長めになるまで育った。

   神田の管理は森田さんが行い、秋の「抜稲祭(ぬいぼさい)」で収穫した米を胆振、日高の24神社と伊勢神宮に奉納する予定。胆振青年神職会の黒野維之会長(40)は「毎年無事にお供えすることができており、非常にありがたい」と話す。日高青年神職会の楡田美浩会長(46)は「自然災害が日常的に起きており、できることが当たり前ではない。始められることに感謝し、無事にお供えできるように地域の安寧を祈る」と語った。

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