新年度を迎えた4月1日、設立20周年を経てウトナイ湖野生鳥獣保護センターは初めての屋内展示の大幅なリニューアルを行い、一般公開となりました。
当センターを訪れる方々がウトナイ湖や周辺に生息する動植物を身近に感じ、よりその生態の理解が深まるようにと、私たちスタッフも施工の打ち合わせから参加させていただき、たくさんの思いが詰まった展示となりました。どれもお勧めではありますが、今回は三つの展示をご紹介いたします。
【ウェルカムムービー】
玄関を入っていただくとセンサーが反応し、5枚のスクリーンにウトナイ湖や四季折々の動植物の映像が映し出され、BGMとともに皆さまをお出迎えいたします。映像開始時には、今人気のあの小鳥の声が流れますので、目と耳で楽しんでいただけると思います。
【フォトスポット】
国の特別天然記念物のタンチョウをはじめ、国の天然記念物のシマフクロウ、オオワシ、オジロワシなど、北海道を代表する野鳥の剥製と一緒に写真を撮ることができるスポットです。自然界では間近で出合う機会の少ない希少な野鳥と共に、写真撮影をお楽しみください。大型の野鳥も多いので、皆さまの体と比べてみるのも面白いかと思います。
【剥製展示コーナー】
今回、28個体の野鳥の剥製製を新設いたしました。いずれも、ウトナイ湖周辺で観察することができる野鳥たちです。ケースに入れていないため、上下左右どこからでも間近で観察することができるのが最大の特徴です。また、このコーナーの近くには、これらの野鳥の生態や鳴き声を調べることができる野鳥検索ライブラリーも設置していますので、併せてお楽しみいただけるかと思います。
そして、今回のフォトスポットや剥製展示コーナーでは、多くの剥製が新設となりました。これらのほとんどが衝突事故のような人間社会が原因で命を落とした野鳥たちです。自然界で命を全うすることはできませんでしたが、新たな環境で私たちに学びを提供してくれたことに感謝しつつ、野鳥たちの生態などへの理解を深めるために活用いただければ幸いです。
これらの他にもウトナイ湖や渡り鳥などについて解説している情報検索ライブラリーやデジタルサイネージ等も新たに設置していますので、ぜひ足をお運びいただけたらと思います。
(ウトナイ湖野生鳥獣保護センター・山田智子獣医師)