民間の社会教育プロジェクト「熱中小学校」の白老分校(毛笠史寛校長)が8日に開校し、初回授業が白老町本町のしらおい創造空間「蔵」で開かれた。会場とオンラインを合わせ約40人が出席。2012年から9年間、岩手県釜石市の職員として東日本大震災の復興に関わった青森大学准教授、石井重成さんらの講義に聴き入った。
開校式で毛笠校長は「一人ひとりが多くの学びを得て、まちの発展の力になってほしい」とあいさつ。来賓の大塩英男町長は「『もう一度7歳の目で世界を』というコンセプトは素晴らしい。ぜひ、熱中人として創発活動を」とエールを送った。
初回授業では、石井さんが「被災地で学んだ不確実な時代を自分らしく生きるための3か条」の演題で講演。復興を見据えた観光地域づくりなどに取り組んだ経験について「地域と自分に向き合い、苦労と喜びに満ちた掛け替えのない日々だった」と振り返り、将来は地元に貢献したいという若者に対し、大人が多様な選択肢を背中で示せる地域になるよう「自分の心の温度に従い、謝る勇気を持ち、偶然を愛して意味付ける―という三つのことを大切にして」と語り掛けた。
熱中小学校は15年10月、大人の学びの場として山形県高畠町で開校。一般社団法人熱中学園(東京)が学校運営を支援し、北海道から沖縄まで国内に19校、米国に1校が開校している。
白老分校は21年11月に江丹別・白老分校として開校し、今期から白老単独の分校となった。授業は9月までの半年間、各分野のスペシャリストを講師に招いて行う。次回の授業は5月13日の予定。