全道一のトマトの出荷量を誇る平取町。ビニールハウス29棟でトマト農家を営む菅原章さん=町振内町=のハウスでは、定植作業が進められている。
同町では100ヘクタール以上のハウストマト栽培を行っている。2012年に商品登録されたびらとりトマトは、すべて「桃太郎」系の品種。糖度の平均は5~6度と甘味に富み、実が締まり、日持ちが良いとされる。
菅原さんは、就農30年目の4代目農家。母の隆子さん、姉の美和さん、研修生の4人で作業に当たっている。
2月下旬、町荷菜にある農協の育苗センターから4800本の幼苗を用意し、1本1本を直径12センチのポットに植え替え、ハウス内で約2カ月かけて苗を育てた。
定植は、3月に2日間かけて6棟で行い、今後は15日に7棟、5月20日に6棟、6月5日に4棟、同15日に6棟で、という具合に、時期をずらして進める。
初出荷は5月20日ごろを予定し、8月いっぱい程度まで収穫する。
トマトにはビタミンCが多く含まれ、ビタミンA、ビタミンB、カリウム、カルシウム、鉄などの栄養素も豊富。さらに「リコピン」を多く含み、生活習慣病の原因ともいわれる「活性酸素」の力を弱める働きがあるという。
菅原さんは「いつもより天候に恵まれ、順調に苗が育ち定植を迎えた。昨年は雨が多く、日照不足によるカビや病気が発生した。今年は、収穫量を増やし、皆さんにおいしいトマトを届けられるように頑張りたい」と話した。