今月末で閉校し、115年間の歴史に幕を下ろすむかわ町の宮戸小学校(金澤堅一校長)で24日、児童の最後の登校となる修了式とお別れ会が行われた。6年生を含む10人の児童がお世話になった教職員への感謝と新たな決意を胸に、思い出が詰まった学びやに別れを告げた。
同校は1907年12月、鵡川尋常小学校井目戸分教場として認可を受け開校。その後、校名変更や校舎移転を経ながらも115年の歴史を刻んだ。全校児童で行う米づくり体験や木育といった独自の教育活動、住民参加の宮戸地区連合運動会など地域と共に歩み、卒業生は1400人を超える。この春から鵡川中央小学校に統合される。
金澤校長は代表児童に修了証書を渡した後、「皆さんがこれから行くところは宮戸小よりも大きく、不安はたくさんあると思うが、どんなことでもしっかりとやり抜くことができる、乗り越えられると信じている」とあいさつ。「宮戸小に最後までいた自信と誇りを持って、頑張ってほしい。先生たちはいつまでもあなたたちのことを見守っている」とエールを送った。
お別れ会は、卒業した6年生も駆け付けて実施。教職員が子どもたちとの思い出を振り返り、メッセージを送った後、児童が1人ずつ「家庭学習を頑張りたい」「友達をたくさんつくりたい」などと新天地での目標を語った。
6年生の山下祥弥君(11)は「宮戸小でしかできないことがいっぱいあった。この経験を生かしたい」と言い、辻野宗一郎君(12)は「勉強したり、遊んだり、とてもいい思い出ができた。宮戸小での思い出を忘れず頑張ります」と誓った。
締めくくりは全員で校歌を斉唱。最後となる力いっぱいの歌声で、地域に育まれてきた校舎との別れを惜しんだ。