スマホなどを見る際に、頭を突き出す頭頸部前方位姿勢(FHP)を長時間続けると頭痛や肩凝りなどが生じるのは、首の後ろや肩などに広がる僧帽筋(そうぼうきん)の使い過ぎが原因だと分かったと、金沢大などの研究グループが発表した。
「スマホ首」やストレートネックとも呼ばれるFHPが頭痛や肩凝り、疲労感を引き起こすメカニズムは明らかでない。研究グループは、男性19人(平均年齢22歳)の頭頸部の角度を測定し、習慣的なFHPグループと正常グループに分類。安楽な姿勢、頭頸部を前に出した姿勢、頭頸部を後ろに引いた姿勢を、それぞれピローにもたれた状態で30分ずつ保持してもらい、頭頸部の筋活動と疲労との関連を調べた。
その結果、正常グループと比べFHPグループでは全ての姿勢で疲労の訴えが強く、僧帽筋の過剰な筋活動が生じていた。研究グループは「FHP群は頭頸部の位置を変えても疲労や筋活動が変化せず、僧帽筋の筋活動の異常を是正することが重要だと示唆された」としている。
(メディカルトリビューン=時事)