皮膚細菌叢のバランスの乱れから自己免疫疾患に

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  • 2023年3月23日

  

   自己免疫疾患の一つ、全身性エリテマトーデス(SLE)の発症には、皮膚に自然に生息する細菌群のバランスの乱れが関与していることが分かったと、東北大と国立がん研究センターの研究グループが発表した。

   自己免疫疾患は、免疫系の異常により自身の正常な組織を攻撃することで発症するが、詳しい原因は明らかでない。研究グループは、自己免疫疾患を引き起こすように改変したマウスの皮膚細菌叢(そう)を調べ、SLEとの関連を検討した。

   分析の結果、皮膚細菌叢のバランスが乱れ、黄色ブドウ球菌が増加していた。このマウスでは、同菌の増殖を抑制する抵抗力が低下し、SLEに特徴的な自己抗体が産生され、腎機能障害などの現象が見られた。

   研究グループは「皮膚細菌叢に対する抵抗力の低下と、SLEの発症が関連することを発見した。スキンケアが自己免疫疾患発症の予防に有効な可能性がある」と結論付けている。

  (メディカルトリビューン=時事)

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