白老町の萩野小学校で17日、卒業式が行われた。卒業生29人は晴れ姿で式に臨み、卒業証書の授与で登壇した際には、それぞれ自分の言葉で親や先生への感謝、将来の夢などを語り、6年間を過ごした思い出の学びやに別れを告げた。
卒業生はスーツや羽織、はかま、白翔中学校の制服姿で式に臨んだ。このうち自分の手でこつこつと縫い上げたアイヌ民族の伝統衣装を身に着けた千葉昊也(こうや)君は「中学に入ったら学習と部活動、楽しい学校生活が送れるよう頑張ります」と決意を表し、晴れやかな顔で卒業証書を受け取った。
田村雅嘉校長は式辞で「小学校生活で輝かせた『友達を支え合うあなたの姿』『目標を持ち粘り強く頑張るあなたの姿』を思い出し、自分の夢をその手でしっかりつかんでください」と呼び掛けた。
その後、卒業生はそれぞれ声を上げ、「きょうを迎えられたのは周囲の方々のおかげ。これからも応援してください」と語った。
来賓として卒業生を見守った白老民族芸能保存会理事の飯島宏之さんは、民族衣装で式に臨んだ千葉君について「彼への寄せ書きに級友から『中学でもアイヌ文化伝承のことを頑張って』と応援メッセージがあり、(民族差別が強かった頃と違い)時代の変わり目にいる思いがする。きょうの式が実現できたことに感謝している」と語った。
PTA会長の星野博美さんは「卒業生の絆は永遠。たくさんの出会いを大切にして成長してほしい」と述べた。
同町では20日までに、小学校4校で計94人が卒業する。