安平町議会定例会が9日に開会し、及川秀一郎町長が2023年度町政執行方針を述べた。及川町長は、新年度の重要施策として▽地域力創造と人口確保対策の展開▽魅力的な子育て・教育環境づくりの推進▽暮らしに新たな価値を生むデジタル化の推進―を掲げ、「この町で暮らしてよかったと思えるまちづくりを目指して、全力で町政運営に尽くしていく」と決意表明した。
重要課題になっている地域力創造と人口確保対策では、昨年20年ぶりに町の人口が社会増に転じたことを踏まえ、「地理的優位性や子育て・教育環境といった町の価値を魅力的に感じていただけることが多くなってきた」と手応えを挙げる。今後は子育て世代や首都圏からの移住希望者に向けて、民間賃貸共同住宅の建設支援、宅地の確保、民間の空き地・空き家などの活用促進などでニーズに応える考え。「地域の課題解決や町民の暮らしの向上につながるよう、多様な連携や協働によって地域の力を最大限に引き出す取り組みを進める」と話す。
子育て・教育環境づくりの推進では、胆振東部地震の復興のシンボルとして位置付けてきた小中一貫の義務教育学校「早来学園」がこの春開校し、町内外から関心を集めていることを紹介。特色ある学校教育を推し進めるほか、町独自の社会教育「あびら教育プラン」を通して魅力化を図っていくことを説明した。
新型コロナウイルス感染拡大の影響以降、普及が進むデジタル技術においても自治体デジタルトランスフォーメーションや地方のデジタル化の取り組みを進め、「一人も取り残さずにデジタルの恩恵を享受できるよう、デジタル格差対策を講じていく」とした。
23年度は向こう4年間の町の方向性を示した第2次総合計画後期計画の初年度。及川町長はまちが持つポテンシャル、情熱を持つ人材などに触れ、「前例にとらわれることなく時代のニーズを的確に捉え、安平町の未来へつながる復興と新しい安平町を創造していく」と力を込めた。
このほか、議案審議では22年度一般会計補正予算案など7件を原案通り可決した。