低被ばくで肺塞栓症の診断可能に

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  • 2023年3月9日

  胸部X線を連続撮影することで、慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH=シーテフ)を簡便かつ低い被ばく量で診断するシステムを世界で初めて開発したと、九州大の研究グループが発表した。

   肺動脈内に形成された血栓が詰まることで血流を遮り、肺の血圧が高まるCTEPHは国指定難病の一つ。国内の患者数は約4600人で、増加傾向にある。早期診断により治療を行えば予後が大きく改善するものの、検査装置が大型で被ばくや検査時間の長さなどが課題だ。

   研究グループは、簡便で被ばくが少ない単純X線撮影装置を用い、7~10秒息を止めている間に連続で撮影し、画像の評価を基に肺塞栓症を診断するシステムを開発。患者50人のデータで有用性を検証した。

   その結果、CTEPH患者であることを正しく検出する感度は97%、CTEPHではないことを正確に判定する特異度は86%、診断精度は92%と高かった。また、従来の検査法との比較でも90%と高い一致率を示した。

  (メディカルトリビューン=時事)

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