9月は色づく山間部で渓流魚と戯れる絶好の季節。紅葉には少し早いが、釣り倶楽部の渓流担当は一足先にうっすらと朱色に染まるオショロコマに遭うべく、9月中旬の好天の日、苫小牧から車で1時間ほど走った恵庭市の山間を流れる漁川上流で餌釣りに臨んだ。
訪ねたのは、上流に砂防せきが連なりまとまった水量とプール状の深場が混在するポイント。数日雨がなく渇水気味だったが、かえって魚が居着くポイントが分かりやすい状況だった。
仕掛けは、4・5~7メートルに長さが調整できる延べざおに0・6号の渓流用フロロカーボンラインを道糸で付けた。針はヤマメ用の6号を選択。餌は人工イクラを使用した。
川の落ち込みに対してわずかでも上流側から餌を投入するのが基本。流れに合わせてさお先を上から下にスライドすると、ラインの途中に付けた目印がわずかに停止する。手首を返して「即合わせ」を入れると、”ググンッ…”と小気味よい渓流魚の強い引きが始まった。
延べざお特有の手に伝わる振動を楽しみながら釣り上げたのは、体長26センチほどの良型オショロコマ。腹部が鮮やかな朱色に染まり、初秋の森の景色に溶け込む美しい個体だった。
日ごとに水温が下がって季節の歩みが速まる上流部。釣り上がりながら景色と魚の美しさに息をのみ、数匹の渓流魚と戯れて満足の釣行となった。