彼女らしい引退

  • 特集, 記者コラム「風」
  • 2022年8月17日

  先日、五輪3大会で女子アイスホッケー日本代表の主将を務めた大澤ちほ選手が現役引退を発表した。30歳という年齢を考えると、おそらく「まだできる」だろうが、冷静に自らを見詰め、「限界」と理由を語った記事を読んで、彼女らしいなと改めて思った。

   最初に取材をしたのは彼女が16歳の頃。丸刈りに近いスポーツ刈りだったのが印象深く、一言で言えば「格好いい女子」だった。今思えば、彼女の存在なしに日本女子アイスホッケーの発展はなかったと思っている。

   取材する時間が長かったこともあり、いろんな話を聞いた。20歳から代表の主将を任されてきたが、子どもの頃から常に何かで周りを引っ張ってきた根っからのリーダーだったこと。その一方で、実は「一人でいるのが好きで、決められたことをするのが嫌だった」とも話してくれた。

   今後は競技の普及に力を注ぐというが、一ファンとしてまずは「お疲れさま」、そして「ありがとう」の言葉を贈りたい。(石)

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