苫小牧、白老など胆振太平洋の海岸からルアーで狙う海サクラマス釣りのシーズンが到来した。人気のある魚種だが、今季はまだどのポイントもまれに釣れる程度。岸寄りが遅いのか、数年サイクルの不漁年なのか、釣り人の表情もいまひとつだ。
陸からジグやミノーを投じて狙う「ショアソルト」ルアー釣りでひときわ人気があるのがサクラマス。日本海エリアと入れ替わるように5~6月は毎年、胆振の太平洋岸や噴火湾岸、道東太平洋岸で本格化する。
タックルは10~11フィートのルアーロッドに4000番台のリール、1~1・5号のPEラインにショックリーダーを結ぶ組み合わせがポピュラー。ルアーは遠投が利くメタルジグ、ジグミノーなら30~40グラム、岸寄りしている時に効果的なミノーは20~30グラムが好まれる。
苫小牧や近郊の砂浜、護岸、港では早い所だと3月からアングラーが姿を見せ、早朝を中心にロッドを振っている。5月の連休前後からは一級ポイントの苫小牧市弁天などでにぎわっており、休日の早朝は100人以上が苫小牧港・東港から弁天の海岸に立つ。車は地元以外のナンバーが大半だ。
壮観な情景の一方で釣果はさえない。ポイント一帯で1匹上がるか、上がらないかの状況。5月中旬、渋い状況の中で小型のサクラマスを釣った千歳市の20代の男性は「ジグミノーに替えたとたんにヒットした」と話し、適宜のルアー交換で見事攻略した。4月から有料開放されている一本防波堤では21日、今季1匹目の釣果を運営団体が確認しており、同日は降海型ニジマスも同所で釣れている。
元町から錦岡にかけての護岸、白老海岸など主立ったポイントでも釣果報告は少ない。1~3月の船サクラマスもいまひとつだっただけに、市内の釣り具店の中には「今年は数年ごとにある不漁年かもしれない」の見方もある。
サクラマスの最盛期は6月。シーズン後半にかける釣り人は多く、釣況の好転に期待したい。