真冬 苫小牧の錦大沼解禁 氷上ワカサギ楽しむ 真昼に毎時30匹の達人も

  • 釣り
  • 2022年2月3日
かすかな魚信に集中する釣り人。防寒のためのガスヒーターや当たりを確かに取るための自作の風よけ用ついたてなど装備も万全
かすかな魚信に集中する釣り人。防寒のためのガスヒーターや当たりを確かに取るための自作の風よけ用ついたてなど装備も万全
釣り場で社会的距離を呼び掛けるプレート。アウトドアでも感染対策
釣り場で社会的距離を呼び掛けるプレート。アウトドアでも感染対策

  苫小牧市樽前の錦大沼は氷の厚さが規定の20センチを超え、1月28日に今冬の氷上ワカサギ釣りが解禁された。週末の29日は市内外から多くの釣りファンや家族連れが訪れ、繊細な魚信と技の奥深さが面白いワカサギ釣りを楽しんでいた。

   例年、苫小牧近郊のワカサギ釣り場の中では遅めの解禁となる錦大沼。苫小牧市の公園管理事務所が開く午前7時から午後5時まで無料で釣ることができる。開放エリアは錦小沼につながるせせらぎ側の結氷水面。氷厚が十分なゾーンを確保してロープを巡らせた。

   この日、エリア内でも比較的水深のあるポイントに釣り座を構えた苫小牧市の57歳の男性は、午後の1時間に30匹のペースでワカサギを釣っていた。一般にワカサギは早朝に食いが立ち、太陽が高くなる日中は釣果が落ちる。昼から釣りを始めた男性だが、断続的に当たりを捉え、テンポ良く魚を上げていた。

   男性によると、ワカサギ釣りは十年来の趣味で、錦大沼が解禁されるまでは石狩、空知方面のポイントまで足を運ぶという。「事故で亡くなった先輩に、こつと面白さを教えてもらったのがワカサギ釣り。弔いの気持ちもあって毎年この時期、ワカサギ釣りに浸っています」と話す。

   釣り方を見ると、道糸がかすかに揺れる微細な魚信への反応が素早く、即座にさおを上げて合わせを入れる。糸を巻き上げて魚を針から外すとすぐさま仕掛けを落とした。一連の動作によどみのないのがいかにも玄人。「昼は釣果が落ちるので、魚信がある時は手返しが大事です」と語った。

   この日は途中、にわかに雪雲が張り出し、やや強い北風が吹き出すととたんに氷上は吹雪いて視界が悪くなる厳しい条件。安全のためテントの使用が禁止されていることもあり、途中で釣りを切り上げる家族連れも見られた。

   釣り人らによると、釣果は多い人で3桁の一方、その隣で1時間に1匹という人もいるのがワカサギ。魚の遊泳層の”棚”を意識することと、小さくさおをしゃくって誘うのがこつだ。

   公園管理者は、感染症予防の観点から屋外であっても密を防ぐための社会的距離の励行、マスク着用を呼び掛けている。

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