秋真っ盛り コロナ禍が収まればきっと… 紅葉まつり

  • 支笏湖日記, 特集
  • 2021年10月8日
支笏湖名物「味覚汁」の販売=2008年

  支笏湖は秋真っ盛り。いよいよ紅葉シーズンです。この秋を満喫する「第1回支笏湖紅葉まつり」が開催されたのは、有珠山の噴火があった1977(昭和52)年です。

   この年、それまで6月に開催されていた「湖畔開き」を改称し、4月に観光シーズンの幕開けを告げる「湖水開き」として開催しています。同時に秋のイベントとして「紅葉まつり」の開催も決められていました。

   有珠山噴火は9月で、支笏湖では洞爺湖を避けた観光客が増加し、千歳民報には「噴火の被災者に気づかいながらもニンマリ。増えだした観光客を定着づけようと10月には『紅葉まつり』を計画、支笏湖をより売り込む考えだ」などと書かれています。

   まつり開催は10月16日。支笏湖観光の通年化を目指す地元の意気込みも強く琴演奏会、紋別岳登山、植木即売、野だて茶会、バンド演奏、のど自慢大会、子どもの遊び広場、野外謝恩味覚店などが催されたほか、夜にはキャンプファイアーがたかれ、照明をセットして「夜間紅葉鑑賞」と「紅葉まつりお別れの夕べ」などが行われました。まつり名物のキノコやヒメマス入り「味覚汁」も登場しています。

   まつりの様子を伝える千歳民報には「雨やアラレが降るといった肌寒い天候」としながらも「主催者発表で、人出はざっと2万人」と載せられています。

   人気のまつりでしたが、コロナ禍のため昨年と今年、2年連続の中止となってしまいました。ところで、まつりの中止は1988(昭和63)年にもありました。昭和天皇のご容態悪化を受けてのイベント自粛でした。その代わり遊覧船や高速艇の乗船券、お菓子、民芸品などが入った「大入り袋」(5000円)が販売されています。

   2年連続の中止となった紅葉まつりですが、コロナ禍が収まればきっと新しい発想のまつりが企画されると期待しています。

  (支笏湖ビジターセンター自然解説員 先田次雄)

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