多彩な釣り方も魅力 手応え満点サケ釣り

  • 釣り
  • 2021年9月16日
日の出直後の苫小牧市西部の海岸。サケの魚信を待つ、ぶっ込みと浮きルアーの釣り人たち
日の出直後の苫小牧市西部の海岸。サケの魚信を待つ、ぶっ込みと浮きルアーの釣り人たち
浮きルアー釣りで使われるスプーン。形も色も多様だ
浮きルアー釣りで使われるスプーン。形も色も多様だ

  秋の海釣りと言えば、苫小牧方面ではサケやアナゴ(ハモ)、カジカ。特にサケは道内全域で9~10月が最盛期だ。新型コロナウイルスの緊急事態宣言下にあっても、各地の有名ポイントは釣り人でにぎわっている。食味も釣りの醍醐味(だいごみ)も満点のサケ釣りを紹介する。

   ◇投げざおが林立するぶっ込み

   回帰したサケは群れで遊泳する。投げざおを使う砂浜や護岸からの「ぶっ込み釣り」では、そのルートになる手前の掛け上がりや波頭が崩れるブレークライン付近を狙うのが基本だ。

   餌はサンマ、カツオのぶつ切りや切り身。タコベイトで覆った針を発泡フロートの仕掛けで水中に漂わせて誘う。市販仕掛けにも発光、夜光など光をあやしく反射させる素材が使われ工夫が凝らされている。

   さおは4・5メートルのやや軟調子が適している。大型スピニングリールに道糸はナイロンなら6~8号、PEなら2~3号を巻いておけば安心。さおは3~5本で楽しめるが、10本で数釣りを狙う人も。砂浜が切れる所までさおの放列が続く。

   ぶっ込みは早合わせは不要。当たればさおは激しく揺れ、道糸が一気にふけたり、さおが折れんばかりに曲がったりする。慌てずにさおを持って糸ふけを取ったら、大きくあおってしっかりと針掛かりさせ、さおをしならせた状態で巻き上げる。強引過ぎると何度もジャンプして抵抗され、ばれやすい。

   ぶっ込みの大敵はフグと小サバ。太陽が昇ると活性化し、餌は5分ともたない。放置すると、仕掛けのタコベーの足さえ食べられてなくなる。要注意だ。

   ◇手軽に楽しめる浮きルアーと浮きフカセ

   ルアー(スプーン)にタコベーと針をセットし、浮きで棚を固定して釣るのが「浮きルアー」。サケ独特の釣り方だ。”デッドスロー”でルアーを引くために浮きを付ける。サケの威嚇行動を利用してルアーにアタックさせる。コン、コン、という前当たりで合わせず、サケの体重を感じたところで大きく合わせる。

   ルアーは40~60グラムがポピュラー。タコベー付きの針に餌を刺して投げる。さおは12~13フィートが使いやすい。重たいルアーを飛ばすのと、巨体のサケを引き上げるためしっかりとした腰のある硬めのさおがいい。スピニングリールは4000番台で道糸はPE1・5~2号がお薦めだ。

   「浮きフカセ」は、やはり毛針にサンマ、カツオ、イカやエビなどの餌を付けて狙う。浮きは重りを内蔵した自立タイプや円錐タイプ。浮きで魚信を捉えるが、沈むばかりとは限らないのがこの釣りの奥深さ。止まったり、潮と逆に動いたり、不安定な動き方をしたり。ベテラン釣り師によると、浮きの不自然な動きを読み取れると釣果はぐんと上がるそう。浮きの動きに応じた聞き合わせと本合わせなど、実戦で磨きを掛ければ魚がすれていたり、活性が低い時でも釣果を上げられると話していた。

   屋外であっても密は避けたいコロナ下でのサケ釣り。最盛期は10月まで続く。緊急事態宣言や感染状況を見定めながら、時期や場所の選定など計画を立てたい。

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