「支笏湖を一望できるところはどこですか?」
観光案内所でお客さんによく聞かれます。
正直返答に困ってしまいます。なぜなら、車で行けるところに、支笏湖の全景を俯瞰(ふかん)して一望できる場所がないからです。もちろん湖と山々のきれいな景色が見られるポイントはありますので、ご案内はさせていただいています。
なぜ一望できないかというと、支笏湖の周囲は40・3キロ。フルマラソンができそうなくらいとても大きな湖です(一部通年通行止め区間があり、マラソンができず残念です)。そんな湖を俯瞰するためには相当高いところへ行かなければなりません。
支笏湖を眺めるオススメは、なんと言っても風不死岳です!
標高1102メートルの風不死岳を北尾根コースで登っていくと、途中は樹林帯が続くため展望はないものの、6合目を過ぎたあたりからは、いつ振り返っても支笏湖の絶景が楽しめます。雄大な支笏湖を眺めると、疲れた身体も不思議と軽くなります。
山頂に到着すると目の前に広がる支笏湖に思わず感嘆の声が漏れます。支笏湖に一番近い山というだけあって、支笏湖がとても大きく、対岸にある恵庭岳のとんがり頭もしっかり臨むことができます。高度感たっぷりの大パノラマは山に登らないと味わうことのできない絶景です。
一方、標高1320メートルの恵庭岳からの景色はというと、現在頂上の岩塔は崩落が激しいため立ち入りの自制が求められており、第2見晴台からの景色だと岩塔で支笏湖の一部が隠れてしまうため「一望」とはいかないのが残念です。といっても、第2見晴台は標高1200メートルほどあり、この高さから眺める支笏湖もまた格別です。
暑い暑いと騒いだ夏もあっという間に過ぎ去り、山々が紅葉に染まり始めています。山の上から紅葉の支笏湖を眺めてみるのもいいかもしれませんね。
(支笏湖ビジターセンター自然解説員 佐々木香澄)