昼間の暑さ忘れて 「夕日」と「真っ暗」楽しんで 親水広場で夕涼み

  • 支笏湖日記, 特集
  • 2021年8月13日
支笏湖と恵庭岳(提供)

  例年になく暑い日が続いた支笏湖畔。私の職場、支笏湖ビジターセンターの中も蒸し暑く、マスクの下の顔と首元にあせもができてしまいました。暑さで参ってしまって「湖で涼みたい!」と毎日思って勤務していました。我慢の限界が来たある日の仕事帰り、支笏湖温泉園地の端にある親水広場に涼みに行くことに決めました。

   親水広場は湖岸まで階段が続いていて簡単に水辺に立つことができる場所です。ここからの景色は壮大。遠くまで広がる湖と対岸にそびえる恵庭岳を正面に見ることができ、左手奥には樽前山と風不死岳の地形美も楽しめます。湖の上には大空が広がり、まさに絶景。この壮大な景色を見るだけでも気持ちがすっきりし、十分涼しくなったように感じました。

   が、欲張りな私は「もっと! 涼しくなりたい!」と靴を脱ぎ、湖に足を付けました。湖水は程よくひんやりとしていて気持ちが良かったです。

   足元の水の中をのぞいて生き物探しをしてみました。石がコロコロ敷かれているだけで最初は何もいないように見えましたが、しっかりと目を凝らすと…。ササッ、と数センチ移動したものがいました。チョコチョコ動く足、ひらひら動く長い触覚、透明な身体。「スジエビ見つけた!」。1匹見つければ、あちらこちらに潜んでいるのが分かりました。大きいものは体長4センチくらい。他に見つけたのは「ヌマチチブ」という全長10~15センチくらいの魚です。石と同じような黒っぽい色をして、石に貼り付くようじっとしているので目が慣れるまでは見つけにくいですが、時々尾ひれをヒラヒラさせ泳ぐ姿が、かわいかったです。

   暗くなる前のひとときでしたが、気持ちはすがすがしく身体も涼むことができ、生き返ったようでした。

   しかもその後に体験できたのは、夕焼け空の鑑賞! 恵庭岳方面の空が夕日で染まり、浮かぶ雲も燃えるような赤色をしていました。支笏湖は夕日もきれいに見えるところです。よかったら夕方まで滞在して日中よりも静かな時間を過ごしてください。昼間の暑さも忘れられますので、この時期はさらにお勧めですよ。

   そして7日から開催してきた「真っ暗支笏湖」も15日で終了です。14、15日は日没後にビジターセンター展望デッキ上で「夏の氷濤まつり」を開催します。そのほかに、ナイトミュージアム、ミニゲームなどの企画を用意して皆さんをお待ちしています。 

   週末は「夕日」と「真っ暗」、両方を体験できます。ぜひお越しください。

  (支笏湖ビジターセンター自然解説員 吉田香織)

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