コロナ下で次回の釣行計画が据え置かれて久しい。この機会に釣り倶楽部ではさまざまな釣りを伝えられればと、担当がこれまで体験してきた釣りの魅力を紹介したい。まずは渓流―。
―自然と一体になれるのが最大の魅力
渓流釣りを始めたのは15年ほど前。道北出身で街の周囲に大小の河川があり、休日に友人の誘いで山間部へ釣りに出掛けたのがきっかけ。当時は、道具のいろはも分からずすべて友人任せ。長さ3メートルの延べざおに糸や針などの道具だけそろえて現地へ。まずは虫取り網を持たされて始めたのがバッタ取りだった。
友人いわく「現地で食べている餌が一番釣れる」。その通りで、担当は今も現地で調達できる餌(特にバッタ)を童心に帰って捕まえることにしている。
初の釣行で手にしたのは、30センチほどのニジマス。当たりがダイレクトに手元へ伝わる延べざおの餌釣りは、ルアー釣りと違いリールのドラグで魚の力を逃がすことは難しく、さおのしなりや釣り人の立ち位置で魚との駆け引きが楽しめる。木々に囲まれ、遠くで野鳥がさえずる静けさの中、「ジー…ッ」と延べざお特有の逃げ惑う魚とさおが引っ張り合う音、水中を黒い影が逃げ惑う姿に息をするのも忘れるほど夢中になった。
―渓流釣りを通して見える社会問題
渓流へ足を運ぶようになり、気になり始めたのが周囲の環境。当然ながらきれいな川には良い魚がいる。「銘水に銘魚あり」だ。山奥の源流釣りを好む担当は、道内の銘水や温泉巡りとセットで釣りを楽しんでいる部分もある。
そうした中、切っても切り離せないのが”ごみ”。釣り人だけでなく、河川敷でのバーベキューなど「こんな山奥で」と思うような場所にも人が持ち込んだごみが落ちている。
ここ数年、自然災害などで入渓できなくなった河川もある。ごみの投棄により川が汚され、魚がすむ美しい川が失われていくことに心が痛む。「ごみは持ち込まない」を原則に釣りを楽しみたい。
―ルアー釣りで大物に挑戦も
担当がここ数年、チャレンジしているのが渓流のルアーフィッシング。「川は餌釣り」「海はルアー」と自分の中ですみ分けしていたのをやめての挑戦。
当初は「同じルアーフィッシングだから簡単でしょ」と高をくくっていた。が、全く別物。使用するさおの張りやルアーの重さ、何より求められるキャスト精度が違う。水面に覆いかぶさる枝を避けて狙い通りのポイントへ投げる技術は一朝一夕に身に付かない分、熱中できる。狙った場所へルアーを通し、黒い魚影がルアーの後を勢いよく追い掛けて来る様子に餌釣りと違った興奮を覚える。
いまだ紙面で自慢できるような”ビッグワン”に出合えていない。今後もチャレンジを続けて、紹介できるようになりたい。