苫小牧市内や近郊の砂浜などで、陸地からのキャスティングでサクラマスを狙う通称「ショアサクラ」の釣りが人気を集めている。以前から活発な道南地方に加え、ここ数年は胆振~日高で新規開拓を狙った釣り人が足を運ぶ。秋のサケ釣り同様、誰でも大物が期待できる魅力を秘めており、注目を集めている。
市内糸井にあるフィッシュランド苫小牧店もサクラマスシーズンに合わせて専用グッズをそろえたコーナーを設置。遠投性に優れた長さ3メートルクラスのさおや、状況に応じて使い分ける大小さまざまなルアー、サクラマスの強烈な引きに対応するラインや針(フック)などが並んでいる。
同店によると、さおは遠投性の高い長さ3~3・5メートルのロングロッドが人気。使用するルアーも遠投性に優れた金属製のルアー「ジグ」をメインに、最近ではリールを巻くことで逃げ惑う魚の動きを演出する「ジグミノー」、渓流や湖畔の釣りで定番のスプーンの形を取り入れた「ジグスプーン」も登場した。
ルアーのカラーに加えサイズも6~7センチの小型から12~14センチの大型までさまざま。魚の活性や天候、サクラマスが捕食している魚(ベイト)などの情報から買いそろえる釣り人は多く、中家昌亨店長は「戦略性が高く、釣り人もさまざまな釣り方を工夫して狙う楽しさを感じているよう」と話す。
大型連休に入り、苫小牧港・東港の一本防波堤右岸に広がる砂浜や糸井の海岸線など、地元の人気スポットには人が集中する。「白老町から苫小牧にかけてワンド(海岸線が内側にえぐれた場所)が点在している。そうした場所はどこでも釣れる可能性がある」と中家店長はアドバイスする。
今シーズンは4月上旬から釣果情報が散見され、今が最盛期。例年6月いっぱいまでがシーズンと言われているが、7月まで釣れる場所も。秋のサケ釣りシーズンとタックルを共用できる部分も多く、未体験の釣り人も腕ならしにチャレンジするのはどうだろうか。