大型連休が始まった。新型コロナウイルスの感染拡大で「新しい旅」の取り組みなどが求められる中、人々が目を向けているのが”密”な状況を避けやすいアウトドア。家族で手軽に釣りを楽しめる苫小牧港・西港北埠頭(ふとう)のキラキラ公園は、春から秋にかけて人気のスポットだ。
北埠頭は西港商港区の再奥の波止場。岸壁の後背地に緑地、散策路、広場、遊具、噴水のほか、公衆トイレと駐車場を埠頭の両端に整備し、「キラキラ公園」として市民に開放している。岸壁は一般の荷役には使われず、貨物船の物資の補給やクルーズ船・帆船などの停泊、一般公開や各種催事などに利用されている。
水際にはフェンスがあり、港の見学や散策、釣りなどが安全に楽しめる。大型トレーラーが活発に行き交う工業港、物流港としての色彩が強い苫小牧港にあって、市民が港に親しめ、憩うことができる親水空間だ。
釣り場としてこの時期のターゲットになるのは、投げ釣りでクロガシラカレイ、ソフトルアーを使った釣りでアブラコなどの根魚類だ。夜釣りなら岸壁の直下にいる根魚のソイ、ガヤ(エゾメバル)がルアーやブラー、ブラクリ仕掛けで釣れる。夏はマメイカ、冬はキュウリも。初秋にはイワシの群れが港内に入ることもある。根魚なら四季を問わずに楽しめる。
ただ、今季はカレイの魚影が薄い。春はクロガシラの産卵期で、4~5月は産卵後の個体が活発に食餌する。タイミングが合えば中型のクロガシラを3、4匹と釣ることもできるが、4月前半は渋かった。24日午後、北埠頭で投げ釣りをしていた家族連れの男性は「さっぱりです」と言い、昼からの3時間で魚信はまったくないとぼやく。男性は「3月は結構釣れた。一応夕まずめまで頑張ってみます」と話し、周りで遊ぶ子どもたちを見守りながらのんびりと釣りを楽しんでいた。
本紙釣り倶楽部担当も中旬、北埠頭で投げざお2本出しと、ブラーで足元を探る釣りをイソメで試したが、当たりは皆無だった。
それでも先週末にやっと釣果情報が届き始めたよう。最寄りのエビス釣具店は「ここにきて中央北埠頭ではカレイが見えてきた」と明るい要素もある。5月の釣果に期待したい。