医療従事者などを対象にした新型コロナウイルスワクチンの接種が11日、苫小牧市立病院で始まった。今月5日、市に届いた医療従事者向け約500回分のワクチン。初日は松岡伸一院長ら5人が接種を受けた。来週末までの完了をめどに、患者と接する機会の多い医師や看護師を優先し、接種を進める。
同院の医師や看護師をはじめとする職員は約1000人。アレルギーの既往歴、妊娠中などの理由から接種を希望しないケースを除き、ほぼ全員が接種を希望しているという。
この日は同院1階の発熱待合で、注射を担当する看護師が事前に問診を済ませた医師5人に対し、注射針を上腕部に垂直に刺してワクチンを注入。それぞれ副反応の有無などを確認するため、20分ほど経過観察した。
接種を受けた松岡院長は「今のところ体調に変化はない。痛みは普通の注射と一緒」と感想。「やっと始まったという安堵(あんど)感はある」としながら「市民に行き渡るまで、これまで通りの感染予防対策をお願いしたい」と述べた。
今後、19日までに約500人が1回目の接種を受ける。2回目の接種は4月1日からを予定している。
道は今月10日、65歳以上の高齢者向けの新型コロナウイルスワクチンを先行接種する22の自治体を発表。国が4月5~25日に道内に発送するワクチンは計22箱(約1万1000人分)で、苫小牧市にも1箱(約500人分)が配分される。
市は、65歳以上の高齢者の接種の開始時期を4月下旬と想定。先行配分されるワクチンの接種券の発送時期など詳細は市医師会との協議して詰めるという。接種の予約サイトやコールセンターについては3月下旬設置をめどに準備を進めている。