苫小牧市樽前の錦大沼で19日、氷上ワカサギ釣りシーズン恒例のトーナメント「ワカサギ釣り名人2021」が行われた。苫小牧市拓勇西町の会社員、鶴ヶ●【c59c】順生さん(47)が1時間半で70匹を釣り上げ、悲願の初優勝を果たした。”名人2021”のキャップを冠した鶴ヶ﨑さんは「5年以上参加して取りたかったタイトル。職場の仲間にも報告したい」と胸を張った。
市内外の19人が出場。例年は予選を2日行い、上位者による本戦で名人を決めるが、今年は大会直前の氷のコンディションが悪く、本戦一発勝負とした。制限時間は午前9時からの90分勝負。使えるさおは1本。まき餌は禁止だ。
鶴ヶ﨑さんは初め、沼中央の規制ラインに沿って東寄りに釣座を構えた。しかしウグイの活性が高く、ワカサギが散って釣りにならない。早々にポイント変更を決断し、規制線の西側で釣りを再開した。
ワカサギの魚影は底付近で濃く、8メートルほどの深い棚での釣りとなった。深場での数釣りは手返しの速さが重要。軽い重りでも短時間で着底できるスピニングリールを使いこなし、コンスタントに釣果を重ねて念願の優勝を物にした。使った仕掛けは0・8号の5本針仕様。餌のサシはちょん掛けにして半分に切った。
ワカサギ釣りで重要なのは微細な魚信を取ることと合わせだ。鶴ヶ﨑さんは、小さな魚信を捉えるためにグラスファイバーのさおに自分でドリル掛けしてさらに緩やかなテーパーを施し、敏感な当たりを取れる先調子のさおに仕上げた。仕掛けの重りはわずか1グラム強。「ワカサギ釣りは繊細な当たりを取れるか取れないかで決まる。さおと重りのバランスが大事」。氷の穴近くに台を置いて愛竿(かん)の胴を支持させながら、6センチ前後の小さなワカサギから届く当たりをさお先で見極め、すかさず合わせる技と集中力で釣果を上げた。
今シーズン既に3200匹を釣り上げた鶴ヶ﨑さん。「最近はまっているのは南蛮漬け。素揚げして南蛮漬けのもとに2、3時間漬けるだけ。最高の酒のさかなです」と表情を緩めた。
ワカサギ名人戦は苫小牧市シルバー人材センター(守屋久義理事長)が主催した。今年で11回目。