支笏湖地域の人気スポットの一つ、オコタンペ湖はエメラルドグリーンに輝く神秘的な姿と標高差約600メートルの山の中の秘境ということで、阿寒のオンネトー、東大雪の東雲湖と共に「北海道三大秘湖」と呼ばれています。支笏・洞爺国立公園の特別保護地区に指定されているため湖畔に降りることはできず、道道78号沿いにある展望台から眺めるのが一般的です。昨年はその展望台までの道路が落石の危険があるために封鎖されてしまい、オコタンペ湖を見る機会が失われてしまったのは残念なことです。
現在は冬期通行止めになっている道道78号ですが、この期間に山から湖を展望してみるのも一興ではないでしょうか。時間と体力を使いますが、それだけにただ展望台から眺めるよりも感動を味わえるはずです。
では、どの山からオコタンペ湖が見えるのか? まず恵庭岳が最有力候補でしょう。しかし恵庭岳は現在8合目の第二見晴台までしか登ることができず、そこからオコタンペ湖を見ることはできません。次候補となるのは漁岳です。漁岳にはきちんとした登山道はなく、主に積雪期に登られる山ですが、体力面でのハードルが少し高く危険の度合いも大きくなってしまうので注意が必要です。
そこで第三の候補、オコタンペ山の登場です。この山名は標高968メートルの三等三角点「大丹別」の通称で、正式名称ではなく地形図にもその名は記されていません。
オコタンペ湖の北に、恵庭岳と漁岳の間に挟まれるように位置している目立たない山で、やはり雪が積もってからが登山適期になります。国道453号と道道78号との交点(オコタン分岐点)からおよそ3時間の登りで秘境の絶景を眼下に望むことができます。
三大秘湖の中でもアプローチが困難とされるオコタンペ湖。だからこそ、どこからどうアプローチするか考える楽しさがあります。
(支笏湖ビジターセンター自然解説員 仲澤和隆)