道南バス(室蘭市)は7日、新型コロナウイルスの感染対策をアピールしようとバス車内の換気実演会を本社敷地内で開いた。車内を白い煙で充満させた上、窓やドアの開閉など条件を変えて換気。およそ2分半~5分で煙を排出した。コロナ禍でバスの利用が減る中、安全な乗り物であることを印象付けた。
実演会はバスの利用がコロナ禍で低迷する中、全国各地のバス会社などが開いており、道内では札幌、帯広に次いで3カ所目。
苫小牧や室蘭などの行政、報道機関などから約40人が参加。路線バス(78人乗り)、都市間バス(53人乗り)をそれぞれ使って車内で無害の白い煙をたき、空気を見えるようにした上、室外換気などの装備で空気を入れ換えるデモンストレーションを行った。
このうち、路線バスは約30人を乗せて煙を充満させ、停車している状態で前扉、中扉を開けて車内暖房を入れると5分ほどで、ほぼ空気が入れ替わった。さらに運転席と左後部の対角線上の窓2カ所を少し開け、暖房を付けて本社敷地内を時速8キロ程度で走ると、2分半ほどで煙は完全に排出された。
同社輸送安全部の寺本信也課長代理は「実際の走行は時速40キロ程度で、数分ごとに停車してドアも開閉するので、換気能力はさらに上がる」と強調。都市間バスのデモでは扉や窓を開けず、室外換気のみを作動させたが、5分程度で車内の空気はきれいになった。
同社の長谷川義郎社長は「バスは『車内が密閉されて感染リスクが高い』と感じている人もいると思うが、換気性能に優れた交通機関。年末年始の帰省などに利用してほしい」とアピール。室蘭運輸支局の鈴木康治支局長も換気対策を評価しつつ「乗員、乗客双方の対策が相まって感染防止が強化される」と述べ、車内でのマスク着用や大声での会話自粛などを求めた。