アイスホッケー・アジアリーグの王子イーグルスに所属するFW相木隼斗(21)が、左肩の手術を終えてこのほどチームに合流した。半年近くのリハビリ期間を要するため、来年3月まで行われるジャパンカップ中の復帰は難しいが、「声出しなど、チームのためになることを探しながらポジティブに過ごしたい」と懸命に前を向く。
きっかけは今年7月の氷上練習。1対1の対人練習時に左肩を脱臼した。肩回りの筋肉群が損傷し、その後症状を繰り返すようになった。今季終了後、もしくは12月の全日本選手権出場後の手術を想定していたが、10月中旬に青森県八戸市であったジャパンカップ対東北フリーブレイズ戦の第2ピリオドに「ゴールに軽くぶつかっただけで肩が外れた」ことが決定打になった。
2017年に苫小牧工業高からイーグルスに入団。がむしゃらに日々の練習や試合に取り組むことで精いっぱいだった過去3年とは違い、今年は北米リーグ(NHL)で活躍する選手のスケーティング動画を分析し技量向上に取り組むなど、「いい準備ができた。自信を持ってプレーできるようにもなった」と大きく手応えをつかんでいた。
ジャパンカップ開幕2戦の対横浜グリッツでは1得点1アシスト。FWラインメートの越後智哉(28)、柴田嗣斗(24)とのコンビネーションも精度を上げていただけに、手術の決断は「本当に悩んだし、苦しかった」。10月28日に手術。術後は良好で、今月中旬に予定より早く退院することはできた。
ただ、復帰への道のりは長い。まずは単純な腕の上げ下ろしなど、負荷の少ない動作のみを約1カ月。その後はゴムチューブなど器具を使ったトレーニングへ徐々に移行し、氷上復帰は早くても来年2月以降になりそうとのこと。「焦りは禁物。しっかり準備していく」
チームは出場中のジャパンカップで現在10勝2敗と首位を独走中。治療とリハビリの間、各戦の様子を映像で欠かさずチェックしてきた。「試合を重ねるごとにプレースピードが速く、正確になっている」と目を丸くした相木は「自分も負けないようにもっとパワーアップして復帰したい」と力強く語った。