サケ遅場、弁天浜シーズン開幕

  • 釣り
  • 2020年10月22日
体高のある良型を上げて笑顔の似内さん
体高のある良型を上げて笑顔の似内さん
ぶっ込み用の遊動仕掛け。針素はフロロカーボンの15号だ
ぶっ込み用の遊動仕掛け。針素はフロロカーボンの15号だ
サケが釣れ始めた胆振有数の遅場、弁天浜
サケが釣れ始めた胆振有数の遅場、弁天浜

  8月に始まった苫小牧など胆振太平洋エリアのサケ釣りは終盤に入っているが、例年晩秋から釣れだすのが苫小牧市弁天浜。天気に恵まれた17日は、安平川左岸の河口から約500メートルに10組以上が入釣した。河口付近にぶっ込み釣りのさおを構えた釣り師が午前中で3匹を釣り上げ、一人気炎を吐いた。

   好釣果を上げたのは、毎年晩秋から冬にかけて弁天浜でサケを狙う札幌市の会社員、似内忠夫さん(62)。夜明け前に現地に到着し、河口から100メートルのポイントに入った。

   1本目が釣れたのは午前7時半ごろ。さらに同9時、10時と2匹追加した。いずれも雄で、2匹は銀毛のきれいな良型。もう1匹はやや婚姻色があるものの体長70センチ超、重さ3・5キロで体高の見事な大物。「弁天は大漁できないが、まずめだけでなく午前中いっぱい狙える」と、自身の経験則通りの釣果だ。

   周囲を圧倒した似内さんの仕掛けは遊動型。幹糸の最下部にフロートの付いた針素を結び、この上に幹糸上を動けるように重りをセットした。サケのぶっ込み釣りでは胴突き型がポピュラー。遊動は珍しい。

   「遊動の長所は魚の違和感を減らせる点。餌をくわえた魚が重りの重さを感じにくい。食い込みが違う。当たりもさおにダイレクトに伝わる」。オホーツクの名人から伝授された仕掛け。フロートも軟らかく、タコベイト・針は水中で柔軟に動くように軽く止めている。フロートとタコベイト・針をしっかり固定する釣り人は多いが、「釣果に影響はない」と言い切る。

   弁天浜は、胆振太平洋でも指折りのサケ遅場。河口規制(左岸、右岸とも1000メートル)で9月30日までサケマスの採捕が禁じられていることもあるが、実際に釣れだすのは晩秋で、正月明けでも釣れるのが特徴。安平川に回帰するサケは自然産卵の魚だけに、人工ふ化で放流されたサケとは回帰時期がずれる。今季もこれからが本番だ。

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