太公望、自作のサケ釣り「ぶっ込み」 1軍仕掛け披露 

  • 釣り
  • 2020年9月24日
ベーシックなシルバーフロートに夜光の糸絡み防止パイプで針素を被覆した助川さんの仕掛け
ベーシックなシルバーフロートに夜光の糸絡み防止パイプで針素を被覆した助川さんの仕掛け
ホログラムシートに色が変化するフィルムを貼った坂本さんのフロート
ホログラムシートに色が変化するフィルムを貼った坂本さんのフロート
水中で発光するグローシートのフロートとタコベイト
水中で発光するグローシートのフロートとタコベイト

  シーズン最盛期の苫小牧、白老地方の秋サケ釣りは、資源の減少としけなどで釣果は低空飛行。回帰のピークは9月下旬から10月上旬だけに太公望はいっそう気合が入り、海岸は「ぶっ込み釣り」の投げざおが林立する。明暗を分けるのは、仕掛けと場所と運か―。ベテランたちの自作の”1軍仕掛け”を取材した。

   錦岡の通称「極裏」が主戦場のサケ釣り歴20年、空知管内栗山町の助川光男さん(70)は19日が今季初サケ釣行。ベーシックなシルバーのフロートに赤系タコベイト、針素全体を蛍光グリーンの糸絡み防止パイプで被覆した仕掛けを用意した。昨季はこれで5匹上げた。「以前は赤のフロートも使ったが、シルバーが釣果的に安定している」と話す。

   フロートの長さは9センチ。シルバーの複数のホログラムシートを貼り合わせた。浮きのシモリ玉はフロート固定側に1個であとは「”百均”の手芸用ビーズ」を使う。針素は40センチでナイロン10号を自分で針に巻く。高い経験値でコスパを重視した実釣派だ。

   同日、糸井の小糸魚川左岸に釣り座を構えた地元の坂本勝美さん(70)もシルバーフロートが仕掛けのメイン。光で色が怪しく変化するシートで覆うのがこだわりポイントだ。タコベイトは赤、ピンク。中に小さいシモリ玉を入れて、フロートにタコベイトをがっちりと固定した。「餌の重さで針が不安定になり、水中でぶらんとなると、針掛かりが悪い」。フロートと針は、針素を2度通して絞った浮きゴムで固定している。

   キャリア30年の坂本さんは8月8日に錦岡の通称「海の扉裏」で初物を手にし、サケシーズン開幕ののろしを上げた。既に4匹を釣っている。昨季は10匹の実績だ。

   「太平洋側の人はあまり使わないが、グローは理にかなっている」と指摘するのは、日本海と太平洋の両方でサケを釣る札幌市のY・Aさん(53)。蓄光する明るいグリーンのグローカラーシートを貼ったフロートと、ピンクタイガーグローのタコベー、さらにグローのティンセルをスカートにする。当然、水中では発光し魚に強力にアピールする。濁った海や日の出前の暗い時間帯の釣りには有効だ。

   「魚の視力はそれほど良くない。仕掛けの装飾と餌は魚を寄せるためのマテリアル。食ってもらうために知恵を絞る」が持論。威嚇行動、食餌行動のいずれでも、そこに仕掛けがあることを認識させて釣りが始まると言う。フロートは6センチ。針素は40センチ。今季は錦岡の「ダイナム裏」などで先週までに7匹上げた。

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