サケシーズン開幕、大物狙って一喜一憂

  • 釣り
  • 2020年8月20日
一転して釣果が渋くなった17日にぶっ込み釣りで上がったサケ。「シーズン最初のサケ釣行で釣れて気分は最高」と満面に笑みの札幌の釣り師=17日午後3時すぎ、錦多峰川左岸の砂浜
一転して釣果が渋くなった17日にぶっ込み釣りで上がったサケ。「シーズン最初のサケ釣行で釣れて気分は最高」と満面に笑みの札幌の釣り師=17日午後3時すぎ、錦多峰川左岸の砂浜
錦多峰川右岸の護岸。最盛期に迫るほどさおが林立
錦多峰川右岸の護岸。最盛期に迫るほどさおが林立
間もなく河口規制が始まる錦多峰川。浮きルアーの釣り人に人気のポイント
間もなく河口規制が始まる錦多峰川。浮きルアーの釣り人に人気のポイント

  釣り人の目の色が変わるサケ釣りシーズンが到来した。苫小牧や近郊の海岸、河口周辺では浮きルアーや浮きフカセ、投げざおを使ったぶっ込み釣りの釣り人が釣座を構える。早い時期特有の銀ピカのサケを釣り上げようと、大物釣りの夢と情熱をたぎらせた老若男女が熱くさおを振っている。

   お盆の休み最終日となった16日は濁りもとれて海はなぎ、苫小牧市糸井、錦岡、白老町の海岸一帯は夜明け前からさおが林立。河口周辺はルアーで狙う釣り人が集中した。

   通称・年金浜と呼ばれる錦多峰川左岸は一帯が砂浜。沖合に離岸堤があって波やうねりを軽減し、遠浅の海岸を形成する。サケがたまりやすい道南屈指の好ポイントだ。15、16日はサケの群れが岸寄りしたとみられ、16日は朝を中心に一帯で2桁の釣果が上がったという。ぶっ込み釣りで5匹、4匹の大漁を果たした人もいた。

   しかし17日は一転して不調。その中で、札幌市の60代男性が午後2時すぎに70センチ超の良型の雄を上げた。「白老が釣れていなかったので錦岡に入ることにした。朝から全体的に魚影が薄く、暑かったので、気持ちが折れかけていた」と話し、我慢の釣りの粘り勝ちに表情は緩む。今季のサケ初釣行で第1号の釣果に胸を張った。餌は自家製の塩締めソウダガツオを使った。

   緩傾斜護岸が覚生川近くまで続く錦多峰川右岸側も16日は好調だった。波打ち際に回遊するサケの群れを目撃した人もいる。裏付けるように午前5時ごろ、ぶっ込み釣りで西から東へ次々と一帯の釣り人のさおにサケがヒットしたという。朝のうちに複数匹釣り上げた人もいて、ここでも全体で10匹以上釣れたとみられる。

   ただし護岸帯では、干潮時の波打ち際は海藻に覆われた大割石が露出するため滑りやすく、足元が危ういため転倒しやすい。取り込みの際の無理は厳禁だ。

   浮きルアー釣りが中心の錦多峰川河口の河川敷地も同日早朝、ぽつぽつと釣果が見られた。夜明けから午前7時までさおを振った札幌市から訪れた釣り人は「夜明け前から50人くらいの釣り人がルアーを投げたが、運よく物にできたのは3人くらいかな」と話し、自らの釣果はお預けのよう。前日は好調だったこともあり、「魚より人の方が多い」とぼやいていた。

   サケのサイズは60~70センチ台が中心。まれに50センチ台の小型も交じるが、全体的に中・大型。早い時期だけに銀ピカの魚体が多かった。

   サケ釣りの魅力は力強い手応えと食材としてのおいしさ。大型の雄になれば、さおを海に引きずり込むような強い力で泳いだり、暴れてジャンプしたりする。サケを釣るために本州から訪れる釣りファンも少なくない。釣り上げてえびす顔の人もいれば、不意に力を出す強い引きに慌て、力ずくでリールを巻いて糸が切れるラインブレークの”悲劇”に放心することも。この日も悲喜こもごものサケ釣り劇場が繰り広げられていた。

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   釣り場は人が集中し、錦多峰川の河口付近はごみのポイ捨てや迷惑駐車がときに見られる。屋外とはいえ、河口では新型コロナウイルスの感染リスクが高まる”密集”状態になることもあり、マナーや感染予防を意識した行動が求められる。

   合わせて河川内でのサケの捕獲は漁具に関わらず水産資源保護法と道内水面漁業調整規則で禁じられている。さらに河川によってはサケマス採捕禁止区域の規制もある。白老町の敷生川、白老川は20日から始まった。

   釣り方、規制の期間や区間を順守してサケ釣りを楽しみたい。

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