アメリカの第47代大統領に当選したドナルド・トランプ氏の就任式が行われた21日、日本のテレビニュースは早朝から始まった「アメリカの黄金時代」の話題で埋め尽くされた。元大統領の得意げな笑顔に対抗できたのは、元人気歌手の醜聞と、その後始末の失敗の話題だけ。 4年前の大統領選挙の時、トランプ陣営の集会にはジョン・デンバーの「カントリー・ロード」が流れていた。今回の選挙集会で聞こえていたのはビートルズの「ヒア・カムズ・ザ・サン」。トランプ氏が演壇で、太った上体をくねらせて踊る画像を何度か見た。自分は、エルビス・プレスリーも合わせて、アメリカやイギリスの軽音楽が世界を覆っていた1970年前後の雰囲気を、太平洋のこちら側で、安いエレキギターを抱いてまねをしていた世代に当たる。同じ旋律を聴いたかと思うと、非常に恥ずかしい。 トランプ氏は就任した初日、25本の大統領令に署名したそうだ。不法移民の取り締まり、地球温暖化対策の世界的枠組み(パリ協定)からの離脱、化石燃料の増産などだ。グリーンランドの領有やメキシコ湾の名のアメリカ湾への改称も目指す。自分の暗殺が未遂に終わったのは「アメリカを再び、偉大な国に戻すために神が私を救ったから」だそう。(水)