日本相撲協会の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が2日、東京都江東区の伊勢ケ浜部屋で取材に応じ、元横綱白鵬の宮城野親方の退職について「本人が望んでいる。それはどうしようもならない。実績のある人。協会にとどまって、弟子の育成に当たってほしかった」と複雑な心境を語った。
退職理由は「視野を広げ、いろいろなことをやって相撲協会に恩返しをしたい気持ちが強いと聞いていた」と説明。元白鵬は昨年2月、弟子の暴力事案で相撲協会から処分を受け、その後、伊勢ケ浜部屋に転籍した。
相撲協会関係者によると、八角理事長(元横綱北勝海)も、元白鵬の意思の固さに触れ、無念さをにじませた。
弟子もショックを隠せない。元白鵬にスカウトされて角界入りした元幕内の炎鵬は相撲協会の発表前に報道陣に対応。「何も考えられないが、頑張るしかない」と述べた。共に転籍した幕内伯桜鵬は多くを語らず。元白鵬の退職は残された弟子にとっても影響は少なくない。