宇宙ベンチャー企業アイスペースは6日、同社が開発した月着陸機の月面着陸に失敗したと発表した。同日午前4時すぎの着陸を予定していたが、直前に通信が途絶した。同社は「月面にハードランディングした可能性が高い」とみている。
着陸機は米スペースX社のロケット「ファルコン9」で1月15日に打ち上げられ、民間企業としてアジア初の月面着陸を目指した。2022年12月に発射した初号機も着陸に失敗しており、2回連続の失敗となる。
アイスペースによると、着陸に向けエンジンを逆噴射して減速を開始したものの、月面との距離測定のタイミングが遅れ、十分な減速ができなかったという。東京都内で記者会見した袴田武史最高経営責任者(CEO)は「月面に衝突したと考えるのが妥当」と指摘。「結果を生かして次のミッションにつなげることが重要」と強調した。
着陸に成功すれば、同社は「レゴリス」と呼ばれる月の砂を採取し、その所有権を米航空宇宙局(NASA)に有償譲渡する世界初の月資源の国際商取引に臨む計画だった。また、高砂熱学工業などの実験機器も搭載し、実験サポートも予定していた。