第13代の北海道高校生平和大使に決まった岩山さん(右)と山岸さん=道政記者クラブ 連合北海道などでつくる北海道高校生平和大使派遣実行委員会(実行委員長・和田英浩連合北海道事務局長)は、2025年度の「北海道高校生平和大使」を発表した。岩山心咲(みさ)さん(16)=立命館慶祥高2年=と山岸莉音(りお)さん(15)=札幌日大高1年=の2人で、北海道としては第13代の大使となる。
戦後80年、広島、長崎に原爆が投下されてからも80年の節目の年に就任した2人は道庁で記者会見し、それぞれ世界平和へ向けた思いを語った。
高校生平和大使は、核兵器廃絶と若い世代に平和運動を継承することを狙いにした活動。1998年に長崎の市民団体が開始し、現在は全国に拡大している。毎年、スイス・ジュネーブの国連欧州本部を訪問し、軍縮会議で核兵器廃絶を訴えるスピーチを行うなど、平和メッセンジャーとしての活動を継続。2018年からはノーベル平和賞の候補にもノミネートされ続けている。
道内では、13年から毎年2~3人が派遣されている。今年は26人の応募があり、面接や作文審査などで第13代の高校生平和大使を選任した。
岩山さんは漫画「はだしのゲン」やアニメ映画「この世界の片隅に」を見て影響を受けたことを説明し、「今度は私が高校生平和大使となって活動し、同世代の方に少しでも戦争に関心を持ってもらうきっかけになれば」と話した。
山岸さんは「中学2年の時に平和学習で広島に行って被爆者の方の話を聞き、衝撃的で絶対に風化させてはいけないと強く感じた」と強調。同世代の高校生に対し「原爆や核兵器は、他人事ではなく自分事なんだと一人でも多く感じてもらえる活動をしたい」と抱負を述べた。
戦後80年を迎えることについて、岩山さんは「戦争を経験した年代がどんどん減っていく。その時代を知る人が少なくなり、風化していくと感じている。私たちがそれをつなぐ、懸け橋のような存在になれたらと思います」と語った。
2人の任期は1年。毎月、街頭などで核兵器廃絶を訴える高校生1万人署名活動を展開する。15日に広島市で行われる「結団式」に他の都道府県選出メンバーと共に出席。8月31日~9月6日に軍縮会議が開催される国連欧州本部に派遣される。