「最近文化推し」と語ったのは、苫小牧市の金澤俊市長。5月30日に市役所で開かれた市民文化芸術審議会の会合。市長として、時には親として子どもらの吹奏楽演奏や演劇などに間近で触れる中、改めてその面白さに気づき、文化系を含む中学校の部活動の地域移行にも高い関心を寄せているという。当事者目線も生かし、文化芸術振興に臨んでもらえるなら大変結構なことだと思う。
市は2028年度をめどにすべての部活動の運営が中学校を離れ、地域クラブに移行することを目指し27年度までを過渡期と位置付ける。「スポーツも文化も地域移行の中で、さまざまなことが立ち消えにならないようきちんとフォローしていかなければならない」とも話す。
市長は同日、26年度からの第3次市民文化芸術振興推進計画の策定を審議会に諮問した。策定に当たり、実施した市民アンケートでは「利用しやすい文化施設の運営」と「鑑賞機会充実」のニーズが高かった。「学校教育を含め、気軽に文化芸術に触れる機会の提供が課題」と事務局。指導者、文化振興を担う人材の育成も大きなテーマだ。理念的な要素が強い計画ではあるが、時代にマッチした実効性のある内容にしなければならない。文化推しの輪は広げられるか。 (輝)