5月29日、樽前山5合目から7合目を結ぶ市道樽前観光道線の通行規制が解除されました。登山道の改修工事を経て実に約1年7カ月ぶりの開通です。 活火山のダイナミックスさを間近で体感できる溶岩ドームや多様な高山植物、眼前の支笏湖と晴れた日には遠く羊蹄山まで見渡せる眺望など魅力には事欠かない樽前山ですが、何より7合目まで車で入れるアクセスの良さと、約1時間で山頂まで行ける手軽さが人気のようです。 樽前山の年間登山者数は3万~4万人と非常に多く、その人気の高さゆえに登山道の荒廃が進み、2023年から『東山コース』の改修工事が始まりました。7合目から東山ピークまでの1・5キロが24年度には立ち入りが禁止され、それに伴い市道樽前観光道線も通行止め、登山も原則禁止となりました。当時ビジターセンターを訪れたお客さんからも「登れなくて残念」という声が多く聞かれました。 そうして6月2日、ようやく改修工事を終え規制解徐となった東山コースに早速行ってきました。7合目駐車場に着いたのは午前8時前でしたが、平日にもかかわらず既に満車状態。昨年登れなかった分、今年はさらなる登山者の増加が予想されます。 登山道は、古い丸太の階段が撤去されて、土留めが設置されていました。一部に砂利が敷かれ滑りやすくなったようにも思えますが、全体的にはスッキリと整備された印象です。取り換えられた防護柵とロープは白く輝いて見え、新設された案内看板には英語表記もされていてインバウンドに対応した時代の変化を感じました。 東山から周回コースをたどり3時間程で7合目まで戻ると、5合目ゲート付近まで駐車の列ができていました。その状況を見ていると、せっかく整備された登山道もオーバーユースによってまたすぐに荒れ果ててしまうのではないかと懸念してしまいます。
(支笏湖ビジターセンター自然解説員 仲澤和隆)