Q1 亡くなった父の財産の整理を考えています。預金の払い戻しや相続税の申告のため、銀行や税務署に相談をしたところ、被相続人(亡くなった方)のすべての相続人を明らかにする戸籍の謄本または「法定相続情報一覧図の写し」の提出が必要と説明を受けました。「法定相続情報一覧図の写し」とはどのようなものですか?
A1 「法定相続情報一覧図の写し」とは、亡くなった方の法定相続人(法律上で相続する権利のある人)が誰であるかを公的に証明したものです。相続人などの申し出をすることができる人が、法務局に対して書類を提出する必要があります。詳しくは、Q6とQ7をご覧ください。
Q2 どのような相続手続きに「法定相続情報一覧図の写し」を利用(提出)することができますか?
A2 法務局での不動産の相続登記をはじめ、銀行や信用金庫など各種金融機関での預貯金の相続、税務署における相続税の申告、年金事務所での遺族基礎年金等の請求、その他に保険会社、裁判所、運輸局、特許庁などでの各種手続きに利用することができます。詳細は手続き先の機関に問い合わせをお願いします。
Q3 誰が法務局に申し出(手続き)をすることができるのですか?
A3 亡くなった方の相続人です。なお①法定代理人②民法上の親族、③資格者代理人(司法書士、土地家屋調査士、弁護士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、行政書士に限る)に委任することもできます。
Q4 どこの法務局に申し出をするのですか?
A4 申出先の法務局は、以下四つの場所を管轄するいずれかの法務局です。
①亡くなった方の本籍地②亡くなった方の最後の住所地③申し出する人の住所地④亡くなった方が名義人となっている不動産の所在地です。
Q5 「法定相続情報一覧図の写し」の発行する手数料はいくらですか?
A5 発行に当たり手数料はかかりません。ただし、郵送で申し出する場合においては、郵送に関わる料金等は負担していただきます。具体的には、法務局に送付する際の郵送料金、返信用の封筒(切手を貼った封筒またはレターパック)です。
Q6 どのような流れで「法定相続情報一覧図の写し」の手続きをするのですか?
A6 「法定相続情報一覧図の写し」の請求をするには、法務局へ法定相続情報の申し出をすることが必要です。流れとしては、①必要な書類の収集や作成をしていただきます。②法務局の「手続案内」を電話で予約します。③予約した日時に、書類をすべて持参の上、来庁していただき手続き案内を受けていただきます。④窓口または郵送で法務局に書類を提出します。⑤数日後、窓口または郵送で「法定相続情報一覧図の写し」を受け取ります。
Q7 必要な書類を詳しく教えてください。
A7 集める書類と作成する書類とがあります。
集める書類で必ず必要となるのは①亡くなった方の戸籍謄本・除籍謄本(生まれてから亡くなるまでの連続したすべての戸籍が必要です)、②亡くなった方の住民票の除票、③相続人全員の戸籍全部事項証明書または現在事項証明書(戸籍謄本〈抄本でも可〉)、④申出人の住所・氏名が確認できる公的書類(運転免許証やマイナンバーカードの写し、住民票の写しなど)です。
また、必要となる場合がある書類は⑤相続人の住民票(法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載する場合。住所の記載は任意)、⑥委任状(手続きを代理人に委任する場合)です。
作成する書類は、⑦申出書と⑧法定相続情報一覧図です。⑦と⑧の様式および記載例は法務局の窓口でお渡しできるほか、法務局ホームページにも掲載しています。
各種相続手続きにおいて、戸籍謄本に代えて使用することが可能ですので、手続きを進めている方はぜひ、ご利用ください。
なお、手続の詳細は法務局ホームページ(https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000013.html)で確認できます。
ご不明な点があれば、札幌法務局苫小牧支局登記部門(0144〈34〉7403)までお問い合わせ願います。
(札幌法務局苫小牧支局)