欲しかった結果にはあと一歩届かなかった。女子78キロ超級の新井は延長の末、指導三つの反則負けに終わった決勝を振り返り、「相手の策略にばっちりとはまってしまった」と静かに語った。
昨年2度対戦し、いずれも勝利していた金荷倫との一戦。相手に圧力をかけられ後手に回ると、2分すぎに二つ目の指導を受けて劣勢に。得意の接近戦に持ち込ませてもらえないまま、反撃も決め手を欠いた。
78キロ超級は、2021年東京五輪金メダルで、パリ代表の素根や24年の世界選手権覇者の冨田がリードする。2人がけがで戦線離脱している中、頂点に立って存在感を示したかった。銀メダルを手にしても「今回は優勝しないといけなかった」と悔しさをにじませた。
ロサンゼルス五輪までは、まだ3年ある。22歳は「自分が先に攻められるよう、武器を増やしたい」。塚田監督は「結果を受け止めて、次にどう生かしていくか」とさらなる成長を求めた。