都市部に住む高校生が地方の高校に留学する「地域みらい留学」(高校生対流促進事業)で、神戸市出身の島本凜々さん(17)がむかわ町の鵡川高校で1年間を過ごした。帰郷の前に、胆振での学校生活、暮らし、学びから得たものなどについて振り返ってもらった。
―1年間を振り返って。
全体を通して元気に過ごせた。季節の変化で体調を崩すこともあったが、町の方々が気遣ってくれたからこそ、大きく崩すことなく終えられた。
―不便を感じることはなかったか。
本来一人で生活をしていると、不便なことはあったのかもしれないが、それを補うように町親さんや寮母さんなどが、本当によくしてくれた。地元のシシャモやホッキも食べたし、むかわ町は食べ物がおいしかった。
―住んでいる都市部との違いは。
地元(神戸市)では関わる人が限定されているが、むかわ町の人は何かと優しくしてくれた。地域の餅つきに連れて行ってもらってそこで新しいつながりができたり、子どもの行事に参加させてもらって下の世代の子たちと関わることができたりし、新鮮でよかった。
―将来へのイメージは膨らんだか。
両親が医療関係の仕事をしているので、周りよりも(この分野に)関心がある方だと思うが、それが一層強まった。在籍校に戻った時に看護大学への受験も考えたいと思っている。
―最も印象に残っていることは。
頻繁に忘れ難いことが起こったので、一番を決めるのは難しい。学校の修学旅行では、そんなに仲良くなかった人と仲良くなり、仲が良かった友達とはさらに友情を深めることができた。先月は友達とお泊り会をして、札幌市を初めてゆっくり歩いた。仲良くなった友達と友達の親が、スープカレーを食べたり雪景色を見たり、北海道を堪能できるプランを私のために練ってくれたのも思い出に残っている。
―今後のむかわ町との関わり方は。
友達やお世話になった方々に会いに来たい。そういうところで関わりを持てたら。鵡川高生としてグループで進めてきた「むかわ学」でも、聞き取り調査や助言など(鵡川高から)離れているからこそ、できることがあると思う。在学校に戻っても関わりを持っていけたら。
―後輩へメッセージを。
むかわ町で過ごした経験を、いろんな人に伝えていきたい。その機会をたくさんつくることができたらと思っています。