白老町教育委員会は来年1月8日に開催する「二十歳を祝う会」について、民族共生象徴空間(ウポポイ)=町若草町=の体験交流ホールを式典会場にする方向で協議を進めていることを明らかにした。アイヌ文化復興・発信拠点での式典が実現すれば、多様な人たちが尊重し合い、共生する社会の一員としての自覚を参加者に促すことが期待される。
町議会定例会3月会議(15~20日)で、貮又聖規氏の質問に答えた。
町教委によると、昨年春にウポポイ側に打診し、秋ごろから調整を進めている。若者たちが大人としての自覚を持つ節目に、アイヌ文化が根差す町の魅力を町内外へ発信するアンバサダー(大使)として活躍を誓う場になることも想定される。
町は、アイヌ文化を次世代に引き継ぐための総合的指針として「町アイヌ施策基本方針」を他の自治体に先駆けて策定。民族の歴史と文化を正しく認識し尊重する社会の創造や、白老のアイヌ文化の振興と伝承に努めるとしている。小中学校でも古里への誇りと愛着を育む教育活動「ふるさと学習」を実施し、先住民族であるアイヌ民族に関する授業に力を注いできた。
町は2022年4月の民法改正で成人年齢が20歳から18歳に引き下げられて以降も、20歳を対象に「祝う会」として開催することを決め、今年1月8日は85人が出席した。